BLOG~“働く自宅”を建てるコツ

日本の省エネ住宅から、欠陥住宅が増えないように。

「こんにちわ」、ホームプランの杉本です。
数年前から国土交通省が、海外の進んだ省エネ施工技術を日本中に広めるために、日本の各地で講習を開いて住宅業者に指導を始めています。
日本には無かったこの海外技術は、最低限のコストで確実に省エネ施工が出来るので、脱炭素住宅には欠かせない優れた省エネ技術と言えます。
ただし、本当に良い省エネ住宅は、その省エネ施工技術だけでは出来なくてパッシブデザインなどの別の知識や技術も無ければダメだと私は思っています。

ところで、エネルギー消費量の約3割が家庭からと言われています。
その家庭から消費するエネルギー対策を推進し、地域特性を踏まえた省エネ性能の高い住宅を普及させるために、費用の一部に補助金を出す地域が増えています。
省エネ住宅に公的な補助金が出ると、住宅の省エネ性能に関心を持つ消費者が増え省エネ住宅の物件数も増えることでしょう。
それと同時に、住宅技術や知識をそれほど持たない増改築の業者などが、工事に補助金が出ることを利用した営業活動を行い不当な利益を稼ぎ出している、それに気付かない消費者が被害者になっているケースは珍しくない。
その被害者にならぬようにその対処の仕方や方法について、また後日のブログで述べてみたいと思います。
そのことよりもっと深刻に思える問題が気になって、そのことについて今回のブログは述べさせていただきます。
その問題とは、まともな日本の省エネ住宅は始まったばかりなので、住宅業者の経験や知識の不足から起きてしまう雨漏れトラブルが、補助金を受けて建てる省エネ住宅の物件数に比例して増えてしまうように思います。

当社の輸入住宅を建てる知識として、海外建材の中に使えない不適切な建材が有り、プランニングでその建材を選んでしまえば、その段階で欠陥住宅としてアウトですと、以前のブログで述べていました。
そのブログは、こちらから読むことが出来ます。
2019-9-19「海外の高級住宅を、もっと身近に提供。⑤クレームやメンテナンスを無くす」
http://www.home-plan.jp/mennte

当社が使用しないと決めた海外建材を具体的に示すことは、当社の秘密事項を公表してしまう事となり、また他社の住宅を批判することにもなり今まで述べるのを避けていました。
しかし、このままでは日本の省エネ住宅が増えるほどに欠陥住宅も増えてしまうと思い、その建材が「木製サッシ」である事を明かしその理由などを述べることにしました。
輸入住宅や一般の高級住宅にもよく使われている木製サッシは、省エネ住宅を建てる際にも日本で圧倒的な人気を得ています。
また、住宅の外観デザインは、建築家やデザイナーの実力やセンスを表現する大事なところで、高級住宅に成ればなるほど木製サッシを使いたくなる。
それに加えて省エネ住宅を設計するとなれば、省エネの断熱性能が良いと日本で評価が高い木製サッシは、洋風デザインの高級感と質感も良いことから、値段が高くても使うケースが多くなります。
しかし、特に雨の多い日本で木製サッシを使ったらどうなるか?普通に考えて判りそうなものです。
木製サッシが、なぜ日本でとても人気が高くて多く使われるのか理解できません。

木製サッシを使って建てた住宅は、雨漏れトラブルが起きていないのでしょうか?トラブルが表面化しないのは、その責任を取らずに済まされているのではないですか?

この木製サッシが原因で起きる雨漏れは、一般の雨漏れと違って建て替えをした方が良いほど、直すことが難しい重大なトラブルになってしまいます。
それなのに、「断熱サッシの中で木製サッシの性能が一番良くて、質感や高級感が有ってお勧め」、などと言う人が日本に多いのは何故でしょう。
今回のブログで述べる内容は、日本で木製サッシの良い評価や世論とは違っています。
これは、私の経験から判断した事で私が間違っているかもしれないので、私個人の見解として受け止めて下さい。

冬には暖かで快適に暮らせて夏は涼しく快適に暮らせる家、この矛盾するようなことが最先端の省エネ技術が可能にします。
その快適な室内の温度を奪う大きな原因は窓です。
断熱性能が悪いアルミサッシは、熱伝導率が高いために冬の冷たい外気温が暖かな室内に伝わり室温を下げてしまい結露現象を起こします。
夏にはエアコンで冷やした室内を、アルミサッシを通して暑い外気温が室内に伝わり室温を上げてしまう。
そのアルミサッシに比べてPVC製の断熱サッシは、アルミサッシの熱伝導率の1/1000と非常に少ないために優れた性能を持ちます。
そのPVC断熱サッシを使い省エネ施工で建てた私の家は、サッシにも室内の壁にも結露は起きません。

日本の住宅業界でも、窓のサイズや材質で省エネ性能が影響されることなど、数々の考えや理論がなされて来ましたが、近年になって地球温暖化問題やSDGsが話題となり一般消費者も関心を持ち始めてから、ようやく日本の省エネ住宅の段階が良い方向に進むようになった。
それまでの日本は、色々な人の省エネ技術のデマ情報が多過ぎて、その影響が今も残ってしまったようです。
そのように日本の省エネ技術が進んだのは最近のことで、国土交通省の指導によって海外の省エネ施工技術を知ることになっても、省エネ住宅の正しい考え方や知識が住宅業者にまだ定着して無いことが問題を起こしやすくします。
その中でもトラブル原因に成りそうなことが、断熱サッシの知識が無く平気で木製サッシを使ってしまうことです。
日本で省エネ住宅の物件数が多くなると、その知識を持たない人たちがこれまで以上に、木製サッシが原因の雨漏れトラブルを多く引き起こしてしまいそうだ。
室内の心地よさや省エネ技術を左右する断熱サッシは、省エネ技術には欠かせないとても大事な建材です。
その断熱サッシのPVC製サッシがドイツで55年前に開発されてから、寒さの厳しい海外で省エネ技術の研究が進められ大きな発展を遂げた。

海外ではPVC断熱サッシの開発と同時に、それ以前から有った木製断熱サッシを使うことが無くなり、その多くのサッシ製造会社も無くなって来たことを、当社が海外建材を個人輸入する取引先の建築家から25年前に聞いたことが有る。
その木製サッシが日本で人気が有ると言うことは、日本の省エネ住宅の技術や知識が25年前の海外レベルにも達してないことになる。
アメリカの企業が15年ほど前に、住宅技術者が読む専門雑誌の表紙裏一面に大きく広告宣伝を載せるようになり、それを見て日本をバカにしているのかと驚いてしまった。海外の地元で使われず売れなくなった木製サッシでも日本ならまだ売れると、海外企業は考えたと思えるのだ。
そして、私が東京ビッグサイトに出展した時に、同じ展示会に出展していたPVC断熱サッシのドイツ人技士から聞いていた話では、日本の住宅業界に関りを持つ海外技術者の間で、「ハイブリッド車の省エネ技術では世界トップの日本が、住宅の省エネには全く関心が無く技術も無いなんて信じられない。日本は不思議な国だ。」と、海外で有名な話になっているそうです。
また、住宅後進国の日本らしく遅れていると思ったことが有って、海外では木製サッシが既に時代遅れの過去の産物になっているのに、日本で有名な婦人向け生活雑誌が住宅特集を組めば、「木製サッシは、断熱性能も質感も良く高級住宅が出来る」と、木製サッシを使って建てる専門業者の記事が載るほど木製サッシの住宅は日本人の憧れの的になっている。
木製サッシは、日本では評判も良く値段も非常に高い高級建材だから、「木製サッシを使って建てるマイホームは、ステイタス感と永い夢だった。雨漏れなどするはずない。」と、消費者心理が働くのだろう。
住宅業界では、木製サッシを使い高級イメージの住宅会社の案内資料に、「木製サッシのメンテナンスをお勧めします」と、注意書きが有るようです。
木製サッシには「防腐塗料を毎年塗って下さい。」とか、「防腐剤を3年に1回は塗ってほしい。」など、会社により違いがあるけれど、木製サッシが雨に濡れる回数が多ければ多いほど雨漏れの可能性が大きくなる。
特に南側の窓は、雨に濡れやすく日差しも強く木製サッシには悪い条件が揃っている。
ところが家が密集している都会の住宅地では、横からの強い雨が少なくなって木製サッシが雨に濡れないケースも有り防腐剤を塗る必要がない家も有れば、気象条件が悪い住宅では毎年何回も防腐剤を木製サッシに塗っていてもダメな家もある。
木製サッシが雨に濡れる頻度により、「窓が動かない、閉まらない。」・「窓が腐った。」・「雨漏れがした。」などの色々なトラブルが起きているのだと考える。
家の人が木製サッシの異変に気付いた時には、修繕も出来なくて手遅れになることが多い。
もし、プラン中の建主が木製サッシを望むケースが有った時に、設計士や施工業者が木製サッシの知識が不足していた為に事前の説明が無くて、その物件に雨漏れトラブルが起きてしまえば、その技術者や業者には社会的責任が有る。

日本中で起きている詳しい雨漏れトラブルの状況を私は知らないけれど、トラブルが起きていない事の方が不思議なことで、トラブルが起きているにもかかわらず、防腐剤塗装の注意書きで済ませているとすれば、その業者にはプライドもモラルも無いことになる。
その雨漏れトラブルが世間に知られずに済まされていても、雨漏れが原因でカビが発生する健康被害と家の財産価値が下がってしまい建主にとって重大なことになり、それを避けるために木製サッシを使って建てた住宅は、窓に防腐剤を塗るしか手立てがなく、毎年のようにメンテナンスをしたところでその住宅は何年暮らせるのだろうかと思ってしまう。
だから、雨が多い日本では木製サッシは不向きな建材として、プランニングの時点から使うのを止めた方が良いと私は考えます。
私は20年前に自宅事務所を増築しまして、道路からの正面のイメージを良くしようと木製の玄関ドアと木製サッシを使っていますが、そのサッシから軒先までが1.8mの長さが有り台風の時でも雨に濡れないようになっている。
日本で木製サッシを使うならば、それくらいの注意が必要です。

20年前か30年前の古い話になりなすが、大企業の旧社名〇〇〇ガラスは、木製サッシを輸入してから国内で分解して処理を済ませてから販売していた時期が有ったが、木製サッシの販売を中止している。
また1990年ごろ、私は静岡市の輸入住宅の会社に勤めていたことが有り、その会社は輸入住宅を建てるノウハウや海外建材を販売するフランチャイズ事業を展開していて、輸入住宅の業界では東京・横浜にも知られていた有名な会社でした。
私はその会社で現場監督をしていまして、新築工事中に木製サッシから雨漏れがしてコーキング処理をして直したことや、その会社で建てた住宅の雨漏りに永い対応できなかった物件があり、私が調査をすると木製サッシが原因で直したことが有りました。
しかし、サッシが木質であることは本当に致命的なことで、雨漏れを直すと言っても一時的な対応にしかならなくて、完全に直すには木製サッシを別のサッシに取り替えをして、外壁から室内の壁までを壊さなければならなく、工期も長く大きな工事に成ってしまい建て替えるケースが有るとすれば、余裕がある人に限られてしまう。
木製サッシの人気は、日本で一部の傾向と考えたいと思います。
なぜなら、日本の住宅業界をリードするトップ大手住宅メーカーの数社の中で、木製サッシを使っている会社はどこにも無いからだ。
これが何を意味するかを理解すれば、木製サッシを望んでいた人たちも使わない方が良いと納得できると思います。
このブログを読まれて、輸入住宅はトラブルが有りそうと悪いイメージを持たれて、輸入住宅は止めた方が良いと受け止めてしまうような人が居たら、そのような誤解をしてほしくないし、あなたの素敵なマイホームの夢を失ってほしくない。

 

住宅先進国の海外住宅を建てる確かな技術や知識が有れば、日本では難しい省エネ住宅や100年以上暮らせる住宅などもリーズナブル価格で建てることが出来る。
25年くらい前の円高から建てられて来た日本の輸入住宅は、優れた技術者が建てるケースが少なく全般的に質の悪い輸入住宅が多く、その大半が簡単に出来てしまう海外住宅の初歩的な住宅ばかりが建てられて、それらの輸入住宅が日本人のイメージになってしまった。
高層ビルを建てる大林・清水・竹中などのスーパーゼネコンが昔に建てた洋館が在り、それらの建物は100年以上経った今も神戸や横浜など日本各地に残って居ます。
世の中が進み今では誰でもインターネットで、素敵な海外住宅の画像をたくさん見ることが出来るようになったのだから、海外住宅の技術や知識を持った特別に優れた技術者が建てさえすれば、省エネ性能・耐久性・デザイン的にも優れたまだ見たことも無い上質な住宅が出来るようになってきた。
建主のセンスや好みや感性を活かして好きな海外建材を自由に選び、物件プランごとに必要な建材を海外から個人輸入して住宅を建てる。
つまり、物件ごとに輸入住宅をカスタマイズして建てれば、その建主だけのオリジナル輸入住宅が出来て、建主の個性を自分の家に表現できる。
その家で家族と暮らす喜びや感動が生まれ、住人がこの家でずっと永く暮らしたいと思う気持ちが大事であり、その気持ちが有ってこそ100年住宅と言うに相応しい。
これらのことは、今までの日本の住宅では全く出来ていなかったことです。

無料相談を、行っています。
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